お子さんが先か親が先か、ご家庭によって違うのでしょうが、医学部を目指したいとか目指して欲しいという思いが芽生えて、受験生活が幕を開けます。
ただし何となく始めてしまうと、医学部受験という蟻地獄から抜け出せなくなりとても苦しい思いをすることになってしまいます。
医学部を受けると親子で決めたら、最初にきちんと話し合い取り決めておいた方が良いなと思うことがあります。
お子さんには、憧れの大学はありますか?
それとも地元志向?
地元の大学、いいですよね〜。
うちも出来れば家から通って欲しかったな。大学に行かせるコストが全く違いますもん。
ただし我が家には地元の大学は、子どもの学力からはあまりに遠い存在でした。
医学部受験生の中には、入れそうな大学があっても、特定の大学にこだわってしまう人が後を立たないとか。
予備校の説明会では、センターの得点が思いの外高得点だったために、センター前に決めていた志望校からもっと高い大学に変更。
結果、不合格と言う人が毎年何人もいると聞きました。
最終的にお子さんは「医者」になりたいのか、それとも「〇〇大学出身」の医者になりたいのか、と言うことをはっきりさせないといけないと思います。
特に医学部を志望している受験者層の中〜下にいる場合、医学部合格ボーダーに達するのは相当大変なこと。それなのに〇〇大学にこだわるのは、自分で夢を遠ざけてしまうような気がします。
もちろん最初は憧れの大学を持つのは良いと思います。
親が「無理だ。」と否定しないでください。
でも、最終的に志望校に手が届かない場合にどうするかは、子どもと確認しておくのは大切だと思います。
あくまでも志望校一本で行くことを許せるのかどうかはご家庭によるので、早めに親子で話し合っておくのをお勧めします。
受験直前になって
「やっぱりダメ。他の大学を受けなさい。」
となったら、子どもは動揺してしまいます。
我が家は子どもの1浪までは許すと当初から決めていたため、現役の受験で国立の医学部を前期後期と受け、どちらもダメで浪人に突入しました。
私は私立大学の医学部以外のところもセンター利用で受けたら?と勧めたのですが、子どもは医学部以外行く気は無いと受けませんでした。
もし現役以外は家庭の事情で難しいならば、早い段階でお子さんに伝えてあげてください。子どもは浪人する気満々だったのに親に突然ストップをかけられた、と言うのはトラブルの元です。
直前にそう言うことで、すったもんだして貴重なエネルギーを消費しないようにしたいですね。
私は子どもが高3になるまで、全ての勉強の面倒をみていました(勉強そのものは教えていません)。
そんなこともあって、子どもの医学部受験者の中での立ち位置がはっきり見えてしまうので辛かった。
ただし、客観的に子どもを見られるようになってくると、自分の中で合格までの道筋が少しずつ見えてくるようになりました。
(高2あたりで)
現役での合格は難しい
↓
1浪かな?
↓
だったら現役のセンター得点をどこまで伸ばせば一浪での合格が可能か
↓
700点前後
700点、と決めたのは、単純に医学部のセンター得点ボーダーと、浪人時代に伸ばせそうな最大の得点を100点と見積もったからです。
センターで800点取れたら、センター逃げ切りの大学を選べば合格できる可能性がかなり高くなると思いますし、二次試験を受けるときにも落ち着いて受けられます。
100点伸ばすことは無理でも、60〜70点伸びれば二次試験が得意なお子さんなら可能性が出てきます。
ただし、700点を大幅に下回った場合は、医学部を目指すこと自体を話し合うつもりでした。
1浪は許すと決めていた我が家。ただし夫は反対はしないけれど、あまり積極的ではありませんでした。
そんな夫が、浪人中の子どもを見て「もし今年ダメでも、本人がもう1年やりたいというなら許しても良いかな。」と変わってきました。
夫にも子どもの必死な思いが伝わったのでしょうね。
ただしあくまで夫婦間の会話。
子どもには浪人生になった早い時期から医学部以外で興味のある分野を自分で考えておくように伝えました。
最終的に私立は非医学部、受かったら本気で行く気のある大学のみ受験、念には念を入れてレベルもきちんと分けて、必ず受かるところがあるように考えました。
出願前は親子でそれぞれの大学と行きたい学部の情報をよく吟味して決定したつもりです。
浪人をしても成績が上がるのは3分の1、現役と変わらずが3分の1、現役より下がるのが3分の1と言われています。
とりあえず浪人、はとても危険です。まして医学部は合格するのがとても大変なので、最初に決めておかないとズルズルと何浪もしてしまいます。
苦しい受験生活を親子で長い間続けるのは、想像すると胸が苦しくなります。
「何浪してでも入ってくれれば良い。」
というご家庭ならともかく、うちのような普通のサラリーマン家庭は、最初に「はっきりと区切る」方が親にとっても子にとっても良いような気がします。
そして子ども自身が(親もかな)これでダメなら医学部を諦めると心の整理をつけるには、やはりこれ以上できない!と子ども自身が思うくらい必死に勉強することだと思います。
中途半端だと
「自分の力はまだこんなものじゃない。」とか
「あの時もっとやれれば行けたのでは?」
と言う気持ちを捨てられず、せっかく入った大学(医学部以外)なのに行かなくなったりやめてしまったりと言うことになります。
あるいはずっと後悔し続ける?
それも辛いです。
私の育児の目標は「子どもが幸福感を持って生きられる」こと。
医学部に入れなくて悲しい思いをしても、切り替えて次の道でまた頑張って欲しいし、その道を楽しんで欲しいと思うのです。
だから敢えて厳しいこともはっきりと子どもにストレートに伝えます。親が与えてあげられるのは最大でここまで、悪いけれどこの条件の中であとは君が頑張って欲しい、と。
子どもはいつまでも甘えられないんだと理解すると、自分ができることを一生懸命考えるようになるのではないでしょうか。
なって欲しいな。^^
では。