医学部受験生のお母さん、普段お子さんとどのように接していますか?
ピリピリしているお子さんに気を使って、王様のように扱っていませんか?
一見子どものために見えますが、でもそれって受験生である子どもの成長に繋がっていますか?
今自分が受験で一杯一杯だからと、受験生である自分が家族で一番偉いかのように勘違いしてしまっているお子さんの話を聞いたことがあります。
でもその考えって幼いですよね。小さい子が僕が一番なんだ!僕を大切にして!って言っているのと一緒。でもそれを増長させてしまったとしたら、それは親の責任でもあります。
自分の高校生の頃を考えると偉そうなことを言える立場では全くないのですが、家族ができたことで少しずつ思いやりを持てたり、自分よりも子どもや夫を優先したり、家族のために色々してあげられるようになりました。子育てを通して私は以前より大人になれたと思います。
そして、この大人になると言うことが実は受験ではとても重要だとお伝えしたいのです。
私の個人的な体験でしかありませんが、子どもの成績の伸びと精神的な成長は常に一緒でした。むしろ心が大人になるのが先で、後を追うように成績が伸びていったと言うのが正しいです。
大人になると言うのは、自分のことを客観視できるようになると言うこと。受け入れるんです、できない自分そのものを。それが分からないと問題(成績が伸びないなど)の本質が分からず、勉強時間だけに注目してしまったり、得意な教科ばかりやって勉強した気になったりと言う勘違いの受験勉強になってしまいます。いくら親や先生がためになるアドバイスをしても、聞き入れることもないでしょう。
そして、大人になると言うことは、自分以外の人間のことも大切にできるようになることだと私は思います。
今のお子さんの状況はどうでしょう?
毎日、あれこれ心を砕いてくれているお母さんに、お子さんはお礼を言っていますか?
雨の日に駅まで乗せて行ったら「ありがとう。行ってきます。」
空のお弁当を出す時には「ごちそうさま。」
短い言葉だけれど、言ってもらえるとやっぱりとても嬉しい。それだけで母は頑張れる。
それからこれは大切なことだと思うのですが、医学部受験生は医師になりたくて受験を頑張っているわけです。それならなおのこと、大変な状況でも自分以外の人に対する心遣いを忘れない人になってもらいたいな。
子どもにそう言うお医者さんになってもらいたかったので、大変だと思うけれど何かしてもらったらお礼をきちんと言って欲しいと伝えました。
私は、「お礼を言う」と言う行為は、当たり前じゃないことに対してすることだと思っています。人は当然と思うことには感謝はしません。特別なことだから、お礼を言うのです。
ご飯が出てくること、清潔な衣類が着られること、駅まで送迎してもらえること、学校や塾に通えること、どれも親が自分のためにわざわざしてくれている特別なことなんだと理解することが、大人への第一歩に繋がる気がします。
それを理解すると、大人としてお母さんのことも尊重してくれるようになる。なって欲しい。母としての私の希望が相当混じっていますが(笑)。
大人になることは受験が終わってから、ではなく、今この瞬間からです。
もうすぐ成人式を迎えるのですから、お母さんもお子さんに大人同士のお付き合いを求めてはいかがでしょう?
でもそのためには、親の子離れが先かな(笑)。