私は子どもが医学部志望だと言うことを、両家の両親以外に話したことはありませんでした。
「お子さん、お医者さんになりたいんでしょう?」と探りを入れられても「まさか〜!」とはぐらかしていました。
誰かにポロリとこぼしたらあっという間に「あそこの家の子は医学部狙っているんだって。」と広まるからです(田舎あるあるです)。しかも、受験が終わった後も相当長い間言われます。受かっても受からなくても。
だから、ずっと黙っていました。
でも子どもが浪人生になってからは、ごく親しいママ友にだけ「実はね・・・」と打ち明けました。
さて、なぜ私の心境が変わったのでしょう?
親が100%信じることが大事だと思ったから
子どもは現役時のセンターでは700点前後の得点でした。現役での合格は相当難しいと浪人を覚悟していましたが、実際に前期も後期も不合格と突きつけられると気落ちしました。
でも700点に手が届いたので、少し医学部合格に現実味が出てきたのも事実。
その時に、今まで子どもの受験について尋ねられた時に私が言っていた言葉が気になり出しました。
「理系学部に進学希望。」
「うちの子理系科目がダメだから。」
「全然出来ないんだよ。」
ずっとこんな風に答えてきました。嘘ではないです。
でもこの言葉の裏にあるのは、医学部受験がダメだった時に子どものことを周りに色々言われたくない!だったかも・・・。
そして、結局こんな風に考えてしまうのは、私が子どもが医学部に受かることを100%信じていないからだと思いました。
言葉に力があると信じる
日本では、とりあえず身内を褒められたら謙遜するのがマナーです。
でも、それをやめてみようと思いました。母親である私自身が子どもを信じる。信じているのなら、言葉にしてみよう。
以前何かの本で、言葉には力があり、言葉にすると実現しやすいと読んだのです。
受かるためなら、何でもやってみよう!相当必死だったのだなと今は思います。
それからは、子どものことを話すときは
「実は、うちの子どもは医学部に行きたくて頑張っているんだ。」(←信頼できる人だけ)
「頑張って毎日勉強している。」
「子どもの夢を叶えて欲しい。」
前向きな言葉で、子どものことを語るようになりました。
後戻りできない状況に追い込む
人に話した以上、もう内緒で後戻りはできません。親子ともに受かると強く信じて進むのみです。
絶対に受かりたいと思うから、子どもも真剣に勉強したでしょうし、私もできることを必死にやりました。
そして、「面倒くさい」は封印。
子どものできない部分をどうしたら改善できるのか、子どもの長所を生かし短所を緩和できる大学はどこか、手間を惜しまず探しましたし、過去問を年度ごとに切り分けて冊子にしたり、大きくコピーして解きやすくするなどもしました。
人は、迷っていると余計なエネルギーを消耗しますね。前に行こうか後ろに行こうか、いや右もある左もあると考えるより、前でも後ろでもとにかくこの方向に行くんだ!と決めてがむしゃらにそこへ進んで行く方がずっとうまくいく気がします。
でも実際の私は、失敗を嫌ってどちらの方向に行くか考えて考えて動かないタイプなのです。
だから決めた方向へ進み続ける力を、「医学部に行きたいんだ」と言葉にすることで得られたような気がします。
医学部に行きたいなら鈍感力を身につけよう
医学部に行きたいなら、「行きたい!」と言ってしまえる鈍感力が結構役に立ったなと思います。
どうしてもやりたいことがあるなら、全身全霊で現実にする努力しちゃいますよね。人のことを気にしていたら、その分集中するエネルギーを持っていかれてしまいます。
私自身も、今一番大事なことに集中して、周りのことは見ない、聞かない、気にしないようにすると楽になりました。人との交流も必要最低限に減りましたが、気が楽な方が良かったです。
最後に
人は腹が決まると、結構強くなれます。その手段の1つとして、人に打ち明けると言うのもありです。ただし、無理に「医学部に行きたい」と公言する必要は全くないと思います。
私の場合はごく親しい人に医学部受験を打ち明けたことで、悩みも話しやすくなりました。それまでは医学部志望をぼかして話さなければならなかったので、その気遣いが必要なくなったのは楽でしたし、受験が厳しいことを素直に言えるようになりました。
ただし、受験はとても繊細なもの。親は子どものことになると、冷静ではいられません。
受験はただでさえ辛いのに、人と比べるとその何倍も辛くなります。親が辛いと子どもに変なプレッシャーがかかって可哀想です。
一番大事なことは、親が不安定になるのは絶対に避けること。
無理しないで、一番心が平らになる状況を選びましょうね。
辛いときに助けられる言葉を見つけたい
こちらの本によると、言霊とは私が考えているイメージのものではなく、効力があるのは神さまの言葉のみらしいです。