子どもの受験の相談に乗るのは、なかなか難しいですよね。ましてや、やっている「つもり」の子どもが成績が上がらないと悩んでいる時は、どう子どもに伝えるか本当に迷います。
言いすぎてもいけないし、言わなすぎると大事なことが伝わらず。
本人が自分はちゃんとやっているという意識が強い場合は、上手に軌道修正してあげないと子どものやる気を削ぎかねません。
ではどうやって子どもに、出来ていない原因と改善策を上手に伝え、「じゃあ言われたようにやってみようかな」と思ってもらうか。
今日は、その方法を考えてみたいと思います。
人は自分ができていないことを指摘されるのが大嫌い!
そもそも、私自身がそのタイプの人間です。^^:
電気の付けっ放しなどよくしてしまうのですが、わざわざ指摘されるとイラッとしてしまいます。(レベルが低くてお恥ずかしい・・・)
つい「わたしだけじゃないもん!」なんて、逆ギレしたり・・・。いい大人なのにみっともないですね。
これと同じ構造の発言が、「今、勉強しようと思ってたのに!」でしょうか。
たいていどこのご家庭でも一度や二度は聞いたことがある言葉ですね。(子どもにこの言葉を言わせずに勉強に仕向けられる親ごさんって本当すごいです!)
子どもも「そろそろやり始めないとまずいなー。でもやりたくないなー。」とモヤモヤしているところを親に指摘されるので、余計勘に触るのでしょうね。
とはいえ、勉強してもらわないことには勉強はできるようになりません。
ではどうしたら、子どもが自分のミスを素直に認めて、行動を変えてくれるようになるのでしょうか。
D.カーネギーの「人を動かす」を参考にしてみる
子どもの医学部受験時代、どうやったら私の提案する勉強を受け入れてもらえるか悩んでいるときに、この本には随分助けられました。名著だと思います!
今回は、この本のパート4「人を変える九原則」を参考に、どうしたら素直に子どもが軌道修正を受け入れてくれるか考えてみたいと思います。
「人を動かす」D.カーネギー著 目次より
パート4 人を変える九原則
1、まずほめる
2、遠回りに注意を与える
3、自分の過ちを話す
4、命令をしない
5、顔を潰さない
6、わずかなことでもほめる
7、期待をかける
8、激励する
9、喜んで協力させる
どうでしょう?お子さんにはこんな風なプロセスで声をかけていますか?
自分の子どもにだと、そもそも1番の「まずほめる」がなかなかハードル高いですよね!
あと、結構やってしまうのが5番の「顔を潰さない」です。昔のミスまで思い出し、ムキになって顔をつぶしまくりそうです。(子どものプライドもズタズタ。汗)
意外と親がやりすぎて子どもに下心を見抜かれてしまいがちなのが7番の「期待をかける」8番の「激励する」ではないでしょうか。
普段ほとんど褒めないのに、「あなたならできるよ!」「頑張って」と取ってつけたように言うと、子どもの方が一枚上手で、「どーせやらせようと思って心にもないことを!」なんて心の中で思うだけならまだマシで、思春期真っ盛中の若者は思い切り口に出して反論してきて親子ゲンカに発展!
「人を動かしたい」初心者にとっては、 D.カーネギーのようにこれらの技を巧みには使えないんですよね。
先日、初心者は上級者の言うことを正確に理解できないし、再現できないと言うことを書きましたが、それと全く同じです。
偏差値50で医学部志望のお子さんは、勉強の基礎体力をつけよう!
D.カーネギーのやり方を受験生(我が子ではない)に応用してみた
<場面>最近模試を受けたが、得意の国語、特に小説問題が安定しない。
私「今回、英語がすごくよくできてるね〜!」←まずほめる
私「その分、国語がちょっと残念だったよね。ここでもう少し点が取れたら〇〇大学(1つ上のランク)でもA判定出たんじゃない?」←遠回りに注意する(してるつもり)+ほめる
私「もったいないから、小説問題の点数を上げたいね。この時は選択肢を文節で切って、問題文にその根拠があるか精査したのかな?」←命令しない(本当はやってと言いたいが)
生徒さん「やっているつもりなんですけどね・・・」ちょっとブスッ(文句言われた!)
私「そっかー。」←同意
私「確かに評論文はできてるよね。〇〇くんは、本を読むの好き?」←顔を潰さない
生徒さん「結構好きっすね。」
私「本が好きな子によくあるコトなんだよね。想像力を働かせすぎちゃって、問題文に書いてないことを無意識に頭の中で補って間違えちゃうの。うちの子も同じことしてね、よく想像しちゃダメって話してたよ。」←自分じゃないが身内の過ちを話す
生徒さん「(^^)」
私「でも、感受性豊かってコトだから悪いコトじゃないんだよ。」←わずかなことでも褒める
生徒さん「確かに、小説を問題を解くと言う視点では読んでないかも。」
私「普段本を読むときは、今のままでいいよ。楽しく読んで。」←顔を潰さない?
私「その代わり、試験問題を解くときは「これは小説ではない!」って思って読んでみようか。問題を解き始める前に、これはただの問題文だぞって自分に言い聞かせて。」←遠回りに注意を与える
生徒さん「わかりました!やってみます。」
私「まずはセンター国語の小説問題だけ10年分を解いてみようか。やってみて、どういう時にどんな間違いをするか洗い出してみようよ。」
生徒さん「はい!!さっそくやってみます!」←喜んで協力させる
私「評論文は安定して高得点だし、ちょっとコツをつかめればきっと小説も高得点取れるようになると思うよ。頑張って!」←激励、期待を掛ける
生徒さん「はい!がんばります!」
私「〇〇大学、受かろうね!」
生徒さん「はい!」
こんな感じ?
人を動かすには、「褒めることを見つける」「言い方を変える」のがポイントか
こうして思い出してみると、やはり最初に「褒める」ことが一番難しいですね。
特に以前自分が「ここに注意してね。」とか「こう言う風に解いてね。」と何かしらのアドバイス(おせっかい)していたことができていない時!!!!!(怒)
どうしてもまずそこに目がいってしまい、「なんでよー!!あんなに言っておいたのに。」と頭に血が上り、「どうしてできてないの」と言いたくなり、我慢できずに言ってしまうのですよ。
心理学なのか脳科学なのか分かりませんが、自分の言ったことを相手が重要と思っていないので軽んじられた=怒りとなると読んだことがありますが、これは本当にそうだと思います。
なんでムッとしているんだろう?と自分を観察すると、「自分のアドバイスが受け入れられない=相手から軽くみられている?」と思ってしまう自分がいます。
もし、この最初の「ムッ」をなんとかやり過ごすことができたらどうでしょう?褒めることのハードルは下がりますね。
やっぱり人間ネガティブな気持ちでは人の良いところって見つけられませんよね。少なくとも私はそうですね〜。
もし、模試の成績表が返ってきて「褒めるところがない・・・」と思ったら、この際機械的に一番良い成績の教科を褒めてあげると決めても良いと思うんです。
毎回、褒める教科が一緒でも良いと思う!「いつも英語は安定してていいね!」とか「数学はやっぱりこの中では得意だから一番できてるね。」なんて声がけはどうでしょうか?
嘘は一切言ってないわけですしね。最初はぎこちなくても毎回何かしらひねり出す練習をしているうちに、少しずつ上手くなってきますよ、きっと。
さて、最初のムッを乗り越えて、なんとか小さなことを褒められたとします。
次は意識的に言い方を変えてみましょう。
先ほどの国語のやり取りを例にあげますね。
「感受性が豊か」を怒りのままに言うと、「もっとちゃんと問題文読みなさい!どうせ頭の中で勝手にありもしないこと付け足してたんでしょ!!」
ということになります。
「もったいないから、国語の点数をもう少し上げたいね。」もそう。
これを怒ったまま言うと「国語さえちゃんとできてたら、〇〇大学だってA判定でたんだよ!毎回同じこと注意してるのに出来ないのは、ちゃんとお母さんの言うことを聞いていないんでしょう!同じこと言わせないで!」
と言う風になります。
美しい言葉(?)に置き換えるだけで、なんだか同じようなことを言われていても「やってみようかな。」という気になりますねー。
やっぱりD.カーネギーはすごいなあ。
精神的に発展途上の子どもを医学部レベルの成績にするには、親の誘導の仕方が大事だと思います
夫は人を動かすのがとても上手です。彼も結婚当初は私を正論で動かそうとしていたようです。ですが、いつの間にか一切命令口調では言わなくなりました。
その代わり、「今日は〇〇をしておいて欲しいな〜。時間ある?」とか「電気がついていたから消しておいたよ。この間自分もやっちゃったけど忘れやすいよね。」とか言ってくるわけですよ。
私は人に優しくされると弱いので、「わかった〜。」とついつい言うことをきいてしまいます。その時に「やらされている」という強制感は全く感じません。
きっと、お子さんも同じではないでしょうか。
親の言うことが正しいと言うことは薄々気がついていても、それを認めてしまうととても大変な勉強をしなくてはならないので、子どもは気がつきたくないのです。
だから、親は現状のままが良い変化が嫌いな脳をいかに気持ちよくさせて「やってみようかな」と思わせてあげるか。親の工夫次第で良い方向に必ず持っていけます。
ぜひ、D.カーネギーの「人を動かす」を活用して、お子さんをうまく導いてあげてくださいね。^^
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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