子の高校受験から医学部受験まで役立った私の勉強法バイブルをご紹介①

こどもが中学2年生の終わり頃だったかと思いますが、高校受験を迎えるにあたり、塾に行かせようか自宅で勉強を見ようか迷っていた時期がありました。

そんな時に、古本屋さんで何気なく手に取った本が、本当に運命の出会いとしか言いようがないくらい私にとっては大切な本になりました。

結果的にこの本に出会ったことがきっかけで、子どもの勉強をサポートしていく流れになったと思います。

この本の内容は、医学部受験で勉強法が確立しない、成績が上がらないという生徒さんや、保護者の方にぜひ知っていただきたい!

ぜひこの本を買って読んでください!!

・・・そう言いたいのですが、残念ながら既に絶版なんです。古本で出回っている数も多くなさそうなので、少しずつ内容をご紹介したいと思います。

長くなりそうなので、何回かに分けてお話しする予定です。



中学生の自宅学習法

中学生の自宅学習法 内藤勝之 著

私が手にした本は平成17年に初版とありますが、著者紹介によると昭和19年生まれで、すでに平成5年に内藤さんは亡くなられています。

この本の評価は、Amazonで読めますがみなさん☆5つの高評価です。自分が学生の頃に知りたかった、目から鱗。私と同じような感想を持たれています。

さて本に戻ります。

著者紹介

昭和19年、神戸に生まれる。5才の時、股関節カリエスにかかり、小・中学校を7年近く休学する。この間にナイトー式学習法の基本となる非常に能率的な、独自の学習法を考え出す。京都大学工学部卒業後、同大学院工学研究科修士課程修了。大学院在学中、京都洛南高校で数学を教える。大学卒業後、企業の研究所に就職。英検1級を取得後、会社より派遣されてカリフォルニア大学の大学院に留学し、修士号、博士号を取得。留学中、学部で有機合成化学の講義を教える。その後病気のため会社を退職し、妻と共にナイトー塾を始め、10年余りの研究後、ナイトー式学習法を完成させる。平成5年3月、長期にわたる病との闘いを終え、惜しまれながら死去。

中学生の自宅学習法より引用

大変優秀な方だったようです。

小・中学校の間に病気で7年間も休学を余儀なくされる中で、勉強法を考え出されたのが本当にすごいと思います。

普通の子どもは、勉強法を考えたりしません。言われたことだけをやるだけです。

どうしたらできるようになるかを考えられる子は、本当の意味で賢いお子さんなのではないでしょうか。

色々な勉強法が載っていますが、奇をてらったものは1つもなく、いわゆる勉強法の王道です。

本を読み進めているうちに、著者の真面目で誠実な人柄がじわじわと伝わり、この先生を信じてやってみようかなという気になる本です。

あとがきでご本人が下記のようなことを書かれています。

この手の本は大げさな表現がつきものだが、化学畑出身の人間だから内容は全て事実で誇張は一切ない。だから本の通りにやっていけば、驚異的な成果をあげることができる。要は、どれくらいこの本の内容を自分のものにできるかにかかっている。

実際に本を読んでいただくと分かりますが、本当に地味な本です。勉強のやり方も地味。

でも、この基本的な勉強法を知っている人と知らない人とでは全く勉強の成果が変わってきます。

そしてこの勉強法を先生の教えるそのままにやることがどれだけ難しいことか。

大抵は途中でやめてしまったり、自分流を持ち込んでしまい、最後は全く違うやり方になってしまうのです。結果、やっているのに成績が上がらないのです。

「中学生の自宅学習法」はどんな内容?

目次

プロローグ  ︎皆、素晴らしい記憶力を持っている

第1章    学習成果はやり方次第

第2章    効率的な自宅学習法

第3章    各教科の自宅学習法

第4章    家庭での学習環境づくり

コラム

プロローグ

内藤先生は勉強ができる出来ないのは、いわゆる頭の良し悪しではない。勉強という煩雑な作業を、常に頭の中で整理しながら進めていく計画性だ、とおっしゃっています。

先生の塾に来ていた勉強のできない生徒さんに、この計画性が大変に不足していることを痛感していたそうです。

子どもが高校1〜2年生の頃は、医学部に行ける気が全くしない成績で、落ち込むことが多かったです。(プチうつになりかけました。)

でも、そんな時は

「頭の良し悪しではない。計画性なんだ!正しいやり方で勉強すれば、必ず効果があるんだ!」

一人自分を励ましていました。

学習すべき全内容を一本の木とすると、幹の根元の部分は少しの量でも、最上階の葉の部分などに比べると、重要度では何十倍という差があります。

学校の授業についていけない生徒さんに共通に見られることは、この勉強の木の根幹部分の記憶がまったくあいまいになっているということなのです。学習に”むら”があるのです。

中学生の自宅学習法 プロローグより引用

例えば、基本的な公式を覚えていなかったり、三角形の合同条件があいまいだったり、奈良や平安などの時代区分すらはっきりしないなど、最も重要な基礎事項すら曖昧なのだそう。

だからと言ってこの重要事項すら覚えられないのかというと、そうではなく勉強とはまず第一に基礎事項をマスターすることを知らないのだそうです。

まず幹の根元の部分をしっかり自分のものにしてから、すこしずつ上の幹の部分を確実にし、最後は枝や葉の部分に取り掛かるということです。

全体の生徒の約3分の2が、そのような計画性もなくただ行き当たりばったりに勉強をしているだけだそう。




これは心当たりありますね。今は基礎を固める時期と分かっているのに、新傾向の問題が出ると聞くと早速やらせてみたりと、軸がブてしまうことはよくありました。

もし親が勉強コーチとなろうと思っているなら、少なくとも勉強のどの部分が根元なのか葉の部分なのかを見極める力がないといけないですね。

また、根元の部分から順番に葉へと、迷わずに進めていける実行力。

根元から葉の部分まで、いつから始めいつまでに終えるかの、時間の面での計画性も必要です。

 第1章 学習成果はやり方次第

この章では、効率的な学習方法について説明されています。

要点① 各教科毎にひとつ適当な教材を完璧に覚える

要点②繰り返し学習する

要点③声を出す

要点④コンパクトなまとめを作る

私にとって、この各教科1冊の教材を完璧にするというのが驚きでした。初めて知りましたね。

先生はこの方法で、京大の燃料化学科始まって以来の成績でトップ合格されたそうです。すごい!!

そのやり方は、各教科一番薄い問題集を選び、それを繰り返して、少なくともその問題集の問題については見ただけで全部答えが浮かんでくると言う状態になるまで完璧に行い、量が少ないことを補ったんだそうです。

これだけ聞くと、とてシンプルでできそうな感じがします。うちは地域のトップ高を受験予定だったので、学校で配布された問題集で大丈夫そうだと判断し、その1冊を繰り返しやるようにしました。

次に問題集を完璧にするですが、ここで難しかったのは、完璧のレベルが人によって全く違うことです。自分が思う完璧と内藤先生のおっしゃっている完璧が最初はかなりずれていたような気がします。

医学部入試が終わって、私もこの言葉の意味を前よりもわかってきた頃、親戚の中学3年生に勉強を教えたことがあります。その子に同じことを言ったら、ある数学の問題をあっという間に「もう完璧」と言うのです。

「完璧じゃないと思うなあ・・・」だって、その子は問題を見てからしばらく考え込んでいたのですから。要はその子にとっての完璧のレベルは、そのレベルだったのです。

問題を見た途端、解答が頭に瞬時に浮かぶ、しかも試験というものすごく緊張する場においても。そのレベルは、問題が難しくなるほど簡単にはいかないのです。

ただこれは、完璧がこのレベルと分かればあとはそのレベルまでコツコツやるだけです。

次回へ続く。

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